白熱するプロ野球はシーズンの折返しに差し掛かっています。阪神とDeNAの熾烈な首位争い(と観客席に紛れ込むサイ・ヤング系YouTuber)、佐々木朗希vs.宮城の投手戦(と勝ち越されて勝ち投手になる平野)、海の向こうではド変態な成績の大谷翔平。WBC後も野球がずっと面白いですね。
これに乗っかり、鉄道会社を野球チーム的に戦わせてみることにしました。一応首都圏の人間として、まずは関東の大手私鉄+JR東をメンバーとします。
鉄道の分かりやすい比較項目として、やはり運賃は避けて通れないでしょう。そこで、各社の運賃をレース形式で比較していきます。
今回は関東の大手私鉄+JR東なので「イースタン・リーグ」、略して「イ・リーグ」。
いやただの2軍やん。
運賃表を勝敗表に見立て、2023イ・リーグ、開幕です。
目次
参加チーム
参加チームは以下のとおりです。
京急ウイングス
東急フライヤーズ
小田急ロマンス
京王キングス
西武ライオンズ
東武スカイッツ
京成ライナーズ
相鉄ジョイナス
東京メトロイズ
都営地下鉄ユリコズ
JR東日本野球部<普通幹線運賃>
JR東シティズ<電車特定区間>
各チームの名前は、基本それっぽいものを命名しました。実在する(した)チームにはお越しいただきました。パ・リーグ5位(2023年7月2日現在)に沈む西武ライオンズさん、ここで奮起してほしいところです。
また、プロ野球に合わせ12チームにするため、地下鉄2社局とJR東<電車特定区間>にも混ざってもらいました。
ちなみに関西版を別リーグで開催もすることも検討中なので、とりあえず1リーグ制で総当たりです。これは再編問題勃発、ストの流れ。
エンタメにするための露骨なルール調整[結果だけ見たい人はスキップ]
今回運賃比較を行うにあたり、運賃に順位をつけるだけではレースにならないと考えました。そこで、営業キロ1km=1試合と見立て、1kmごとの成績を累積し、143km終了時点での累積ポイントで比較することにしました。(「143」は2023年現在の日本プロ野球のリーグ試合数)
なお、IC運賃を使用します。
まずは1kmごとの成績について、ちょっとわかりにくいので例を挙げて詳説します。
営業キロ1kmでの普通運賃
会社A 100円
会社B 110円
会社C 120円
という3社があったとします。このうち最も安い運賃(100円)を基準にし、その運賃をそれぞれの会社の運賃で割ります。
会社A 100÷100=1pt
会社B 100÷110=0.9090…pt
会社C 100÷120=0.8333…pt
つまり、「その区間における最安運賃にどれだけ迫っているか」を数値化しているわけです。これをそのままこの区間での獲得ポイントにします。これを143km分繰り返し、全区間累積ポイントで順位を決めます。この方法なら、単に各区間の順位を累積するより僅差や大差を反映させやすいと考えました。つまり接戦になって面白い。10.8の再来なるか。
「…143km分?運賃を143km分設定してる会社はそう多くはないのでは?」勘付いたアナタ、流石です。
大手私鉄の多くは端から端まで乗っても100km未満の路線がほとんどです。運賃表もそこまでしか設定していないため、それより長い距離の運賃に関しては統計的な推測方法を用いることにしました。「指数平滑法」という方式です。詳しくはこの記事をチェックしてください。
これがベストなんじゃないですか(鼻ホジ)。
以下の会社で推測値を使用しています。
京急:68km以降
東急:57km以降
小田急:85km以降
京王:53km以降
西武:82km以降
京成:71km以降
相鉄:27km以降
東京メトロ:41km以降
都営地下鉄:47km以降
ホントは50kmくらいで止めといたほうが正確なのでしょうが、これはお祭りなのでそんなことは知らない。
野球ボールほどの脳みそをナックル回転させてできた以上のルールで、ゴリ押していきましょう。
開幕戦(1km)結果
さあイ・リーグ2023開幕です。各チーム開幕(初乗り)投手ということで強力な選手を揃えてきました。
結果を見てみましょう。
首位に立ったのは京王。126円という安さです。今秋値上げを予定していますが、それまでは盤石でしょう。
2~5位は、都市間輸送や空港アクセスなどドル箱エースを持つ各チームが並びました。
中盤にJRの2チーム。都市部が普通運賃より1円安いのは何か大きな力が働いているのか。
下位には育成枠(ローカル線)を抱えるチームが並びます。
西武はここでも下位に低迷。ほたみょん…
シーズン10km 途中経過
10kmが経過し、各チーム先発が2巡目に入っています。まだ序盤で大混戦です。
首位は変わらず京王。ここまで10kmすべて1位で、他を突き放しています。
2位にJR東シティズ(特定区間)が躍り出ました。開幕戦こそコケましたが、やはり短距離では強い。
そのわずかに下を追いかける京成と京急。トレード(直通)が頻繁な2球団。
中位層に動きが。小田急がダウン、東武が上がってきました。
しかし6~10位までのポイント差は0.26ポイント。まだ全然わかりません。
一方、開幕戦から最下位に沈む地下鉄2チーム。このままでは早い段階で自力優勝が消滅してしまいます。
シーズン50km 途中経過
シーズンは最初の2ヶ月を終え、中盤に入ろうとしています。
京王はまだ首位にいますが、それを猛追するのはなんと先程11位だった東京メトロ。12km~19kmは252円、20km~27kmは293円、そして28km~40kmという長い区間324円を維持したことで、小刻みに運賃を上げる他チームを一気に出し抜きました。また、同様の理由で都営地下鉄も8位まで巻き返しています。
相鉄が3位まで上昇。予測に入っているため正確な値ではありませんが、運賃の伸びを抑えた結果がここに活きてきます。
西武が6位、Aクラスに入ってきました。
一方先程2位まで上がったJR東シティズは11位まで低下。首位の倍の運賃です。
シーズン100km 途中経過
オールスターを終え、優勝争いやAクラス入り争いが激しくなっていきます。
京王は首位を死守。0.42ポイント下に東京メトロが首を狩らんと蠢いています。絶対楽しいシーズン。
3位には都営地下鉄が更に順位を上げました。首位争いには遠いですが、プレーオフには十分な勢いです。
Aクラス争いは西武が6位に留まっているものの、小田急が僅かな差で追っています。西武は山賊打線の復活なるか。
8位以降は離されてしまいました。逆転は厳しいかもしれません。
つーかJRたっけぇ!
シーズン143km 結果
シーズンが終了しました。泣いても笑ってもこれで順位が確定です。見ていきましょう。
優勝は、
東京メトロイズ!!!
京王キングスを110kmで逆転し、そのまま逃げ切りました!序盤の低迷が嘘のよう。
推測値ではありますが、143km乗っても670円にしかならないというオトクさ。これは間違いありませんでした。
京王キングスとの最大ポイント差は3.9ポイント。ずっと離されることなく追えていたんですね。
2位は京王キングス。
王者は足元を掬われました。シーズン序盤での貯金が足りず、終戦。
3位は都営地下鉄ユリコズ。
ユリコはやはりすごかった。東京メトロイズとともに、スロースターターだったようです。
ペナント順位表はこちらです。
ということで、2023年シーズン、イ・リーグの覇者は首都の地下を網羅する東京メトロイズでした。おめでとうございました。
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